琉球王国は軍事力の小さな国でした。そのぶん、外交と文化に力を注ぎます。冊封使をもてなす芸能、王族の衣装を彩る染織、士族が身につけた武術。いま「沖縄らしい」とされるものの多くは、この時代に磨かれたものです。
三線と琉球音階
三線は14〜15世紀ごろ中国から伝わった三弦がもとになり、琉球で独自に発達しました。のちに本土へ渡って三味線になったといわれます。
胴に張られているのはニシキヘビの皮です(本張り)。輸入規制や価格の関係で、現在は人工皮を使った「強化張り」も広く使われています。本土に渡って三味線になったあとは別の素材が使われるようになったので、材料の時点で道が分かれたことになります。
そして「沖縄らしい響き」の正体は音階にあります。琉球音階はド・ミ・ファ・ソ・シ・ドの5音で構成され、レとラを使いません。この抜け方が、あの独特の明るさをつくっています。試しにピアノでレとラを抜いて弾くと、それだけで沖縄の曲に聞こえます。
琉球舞踊と組踊
琉球舞踊は、冊封使をもてなすために整えられた宮廷芸能が土台です。祝いの席で最初に舞われる「かぎやで風(かじゃでぃふう)」は、いまも結婚式や落成式の幕開けに欠かせません。
組踊は1719年、玉城朝薫が冊封使歓待のために創作した歌舞劇です。せりふと音楽、踊りを組み合わせた劇で、ユネスコの無形文化遺産に加えられたのは2010年のことです。浦添市の国立劇場おきなわで定期的に上演されています。
エイサーとカチャーシー
宮廷芸能に対して、民衆の芸能を代表するのがエイサーです。旧盆に先祖を迎え送るための念仏踊りが起源で、いまは青年会が地域を練り歩きます。
宴の締めはカチャーシー。「かき混ぜる」を意味する「かちゃーすん」が語源で、喜びをかき混ぜて分かち合う踊りです。手を頭の上で左右に振り、男性は握り、女性は開くのが基本とされます。
染めと織り、そして焼き物
- 紅型(びんがた) … 型紙と顔料を使う琉球独自の染物。王族・士族の衣装に用いられた。「紅」は色、「型」は模様の意味
- 芭蕉布 … 糸芭蕉の繊維で織る。軽く風通しがよい。大宜味村喜如嘉が産地
- 琉球絣・久米島紬 … いずれも国の重要無形文化財に関わる織物
- やちむん … 沖縄の焼き物。壺屋(那覇)と読谷のやちむんの里が知られる
八重山の民謡「安里屋ユンタ」はもともと竹富島の労働歌(ユンタ)でした。のちに別の歌詞をつけたものが作られ、そちらが全国区になっています。
空手は沖縄で生まれた
空手のルーツは琉球の武術「手(ティー)」です。そこへ中国拳法が交わって生まれました。古い呼び名は「唐手」で、トゥーディーと読みます。本土へ伝わる過程で「空手」の表記が定着します。
発祥の地として県が建てた沖縄空手会館には、いまも世界中から稽古に訪れる人がいます。いま世界で1億人以上が稽古するといわれる武道の出発点が、この島でした。
読んだあとは、クイズで確かめる
ここまでの内容がどれくらい頭に入ったか、4択クイズで試せます。1問ごとに解説が付くので、間違えてもその場で覚えられます。

