沖縄の地名は、県外の人がまず読めません。北谷を「きただに」、南風原を「みなみかぜはら」と読んでしまうのは自然な反応です。読めない理由はひとつで、先に音があり、後から漢字を当てたからです。
漢字の意味や音読みから読みを推測しようとしても届きません。逆に、頻出するパーツを覚えると、初めて見る地名でも見当がつくようになります。
パーツ① 城=グスク
沖縄で「城」は「しろ」でも「じょう」でもなく「グスク」です。地名では「ぐすく」「ぐしく」と読み、人名にもよく残ります。
- 城間 … ぐすくま(浦添市)
- 玉城 … たまぐすく(南城市)
- 大城 … おおしろ/うふぐすく
- 今帰仁城跡・座喜味城跡 … いずれも「〜じょうあと」だが、本来の呼びは「〜グスク」
パーツ② 原=バル/ハル
「原」は「はら」ではなく「ばる」「はる」。もともとは耕作地の区画を指す言葉で、沖縄の小字にはこれが大量に残っています。
- 南風原 … はえばる(「南風」で「はえ」)
- 西原 … にしはら(ただし沖縄で「にし」は本来「北」の意味)
- 田原 … たばる
「南風(はえ)」は南から吹く風のこと。九州にも同じ用法があり、沖縄だけの語ではありません。一方で「にし」が北を指すのは沖縄独特で、那覇の「西町」など混乱のもとになります。
パーツ③ 当て字だけの地名
規則性がなく、音に漢字を当てただけのものもあります。これは覚えるしかありません。
- 北谷 … ちゃたん
- 今帰仁 … なきじん
- 勢理客 … じっちゃく(浦添市)
- 保栄茂 … びん(豊見城市/漢字3文字で2音)
- 為又 … びーまた(名護市)
- 喜屋武 … きゃん
- 東風平 … こちんだ(八重瀬町)
- 仲村渠 … なかんだかり(南城市)
- 安謝 … あじゃ(那覇市)
- 奥武島 … おうじま
地名は歴史の記録でもある
「奥武(おう)」の名を持つ島は県内にいくつもあります。どれも昔は葬送の場だったという説が有力です。「〜グスク」は城があった場所、「〜バル」は開かれた耕作地。地名を並べると、その土地で何が行われてきたのかが浮かび上がります。
なお「やんばる(山原)」は市町村の名前ではありません。本島北部の山がちな一帯をまとめて呼ぶ言い方で、国頭村や大宜味村、東村あたりが中心になります。
読んだあとは、クイズで確かめる
ここまでの内容がどれくらい頭に入ったか、4択クイズで試せます。1問ごとに解説が付くので、間違えてもその場で覚えられます。

