奇々怪々展 2025
育陶園は、先祖代々この壺屋の地で壺屋焼をつくり続けてきました。
かつては酒甕や水甕などの荒焼を中心に手がけていましたが、時代とともに作るものも変化し、今では日常の器やシーサーが主な仕事となっています。
普段は暮らしに寄り添う器や、魔除けのシーサーがものづくりの中心ですが、7代目・高江洲尚平の代になってからは、土という素材をもっと自由に解釈し、新しい表現にも挑戦してきました。
そのひとつが「真空土練鬼」という育陶園の有志サークル。アニメのフィギュアやオリジナルの置物などを制作し、主にワンフェスという1日限りのイベントで発表してきました。
「奇々怪々展」は、その活動で培った造形力をもとに、獅子や架空の妖怪、精霊たちを土で形にし、壺屋の地で楽しんでいただくための企画です。
ここは、育陶園の職人たちがそれぞれの想像力と遊び心を思いきり発揮し、個性豊かな作品に仕上げる場でもあります。
土という素材の不思議さ、そして作ることの楽しさを、作品を通して感じていただけたら嬉しいです。
沖縄では昔から、目には見えなくてもどこか近くに感じられる存在が暮らしのそばにありました。
しかし近年は、壺屋でも石垣や古民家が取り壊され、景色が大きく変わりつつあります。
そんな中でも、この地に流れる“見えない存在”や“物語”を忘れたくない。
この企画は、そんな想いとともに、壺屋の景色をそっとつなぐ試みでもあります。
土から生まれる、不思議でちょっと可笑しな世界を、ぜひ会場でお楽しみください。
【奇々怪々展】
・育陶園職人による奇々怪々オブジェ・器の展示販売
・怪・あんみつ ※1日数量限定
【日時・場所】
期間:2025年8月25日(月)〜8月31日(日)
場所:Etha
住所:902-0065 沖縄県那覇市壷屋1-22-38
時間:12:00〜18:00 <会期中無休>